Another Words

突然創作を載せたり載せなかったりします。

副産物と副作用(R-18)

藍忘機は絶倫である。

生まれつきの体質ももちろんあるが、人並外れた高い霊力と高い修為がさらにそこに加わり、よほどの疲労困憊状態でない限り、1日に何回でも、また放出した後もすぐに可能である。

しかし相手である魏無羨はそうではない。

転生前の美丈夫だった頃はさておき、今の莫玄羽の身体は蘭陵金氏での数年の修行を経ても結丹に至らなかった元々のひ弱さに加え、莫家に戻されてからの家畜並みの扱いによってかなり衰弱したためか、その後の藍氏での健康的な生活でも人並の体力がついているとは言い難い。

そんな二人の性生活に困難が生じたのは必然とも言える。

性格的にはかなり好色なたちである魏無羨は求められれば喜んで応えたいと思っているのだが、無理をして応えてしまったために翌日半日以上起き上がれないことや人前に出られないほど目に酷い隈ができることもしばしばだった。

それに、二人とも一緒にいくのが好きなのだ。本来藍忘機にとっては腕の中で、あるいは膝の上、腰の上で愛しい人が気をやるのを見るのはそれだけで至上の喜びであり、自分自身が射精に至る必要はそれほど感じていないのだが、魏無羨は自分だけが気持ち良くなるのが悔しい、という面倒な性格ゆえ、毎回毎回

「ねえ藍湛、一緒にいってよ』

とねだってくる為に、藍忘機は魏無羨のタイミングに自分の頂点を合わせている。

その結果、藍忘機はまだまだ可能であるにもかかわらず、魏無羨は疲れ果てて寝てしまうことがしばしばあった。

それでは流石に申し訳ないと感じた魏無羨はある時期から、藍忘機の留守中には蔵書閣の、それも禁書室に籠ることが増えた。

 

その日藍忘機がたまたま予定より早く帰宅したところ、静室には魏無羨がおらず、もしかしたらまた禁書室に籠っているのかと探しにいくと、案の定魏無羨はそこにいたのだが、横になって背中を丸め、下穿きをとって指を入口にあてがい、何やら逡巡している。

「魏嬰、君は何を…?」

そう言って魏無羨の手を掴む。魏無羨は慌てて

「あ、藍湛、こ、これは違うんだ」

と身体を起こすと、抹額を外して手首を縛ろうとする藍忘機に

「待て、藍湛。話聞けって。この本なんだけど」

と言う。見るとそこには藍氏の昔の客卿が東瀛から持ち帰ったとされる閨房術の本が何冊か開かれていた。まさかこんな本で私の留守に自分を慰めていたのか?藍忘機は裏切られたように感じ、魏無羨を睨みつける。

「いや、だからそうじゃないってよく見ろ藍湛。ほらここ、『接して漏らさず』って」

確かにそこには、射精をしないことで健康が保てると書かれていた。

「それとこっち」

別の本には、ある方法で男も精を放たずに絶頂を得ることができると書いてあった。

「もし俺が出さなくてもいけたら、藍湛と一緒に何回でもいけるだろ?、だからここに書いてあるのが本当かどうか試してみたくて」

そこまで聞いた藍忘機は、打って変わって内心から湧き出る愛おしさを押し殺そうとして、わざといつもより低い声で

「試すのならば、私がする」

と言った。

流石に禁書室で睦み合うのはまずかろうと本を抱えて二人で静室へ戻り、強めに結界を張ってから、早速本の内容を試すことになった。

「なんで俺だけ脱がすんだよ藍湛。それにこんなに縛らなくても」

両手をしばし上げられ寝台に括り付けられて不満を漏らす魏無羨に

「これは実験だから」

とわざと堅苦しく言ったが、目の奥にどこか楽しげな光を浮かべて

「力を抜きなさい」

と中指を挿し入れていった。

いつも藍忘機の巨大なものを受け入れている魏無羨のその部分は、最初のうち緊張しているのかいつもよりきゅっと窄まっていたが、すぐに甘い息を漏らすとともに柔らかくなっていった、

魏無羨が特に突かれたがる場所があることは藍忘機も知ってはいるのだが、体内で藍忘機の硬いものが動けば柔らかい内臓も当然押されて動くために、指先でそれを探り当てるのは文字通り手探りとなった。

「ああっ、藍湛、そこ、凄くいい」

と言う声にこのあたりだろうと見当をつけるが、魏無羨が耐えきれず身体を捩ったり腰を浮かせたりしてしまうので、なかなかその場所が確定できない。その上魏無羨がいつも以上にあられもない声を上げ、前の部分を硬く立ち上がらせて身悶える姿に、藍忘機も冷静さを保つのが大変だった。もちろん彼自身の巨大なものは硬くなり、外衣の上からでもはっきりわかるほど上向きに反り返っていた。

腰を捩って強すぎる刺激から逃れようとする魏無羨を無理に押さえつけてそれらしい場所をなんとか探り当て、指先に強く力を込めると、魏無羨の反応が一際強くなる。

「や、駄目だ、やめてくれ藍湛、らんじゃ…」

そう言うと、まるで紫電に撃たれたかのように大きく全身を震わせた。それも一度ではなく、六、七度も。その姿につられるように、藍忘機のものから白濁が吐き出される。

 

下穿きの中に精を漏らすなどと言うことは雅生を旨とする藍氏の者としては本来とんでもない失態なのだが、しかし自分が与えた刺激に反応して道侶が激しく気をやる姿を目にしてのことなのだから全く恥じることではない、と藍忘機は屁理屈をこねながら呼吸を整える。

 

ふと見ると魏無羨のものはまだ立ち上がったままだった。

「あれ?俺、今どうなってた藍湛?出してないよな?なのに、なんていうか、…凄くいってた気がする」

「私にも、そのように見えた」

いつもより顔を紅潮させ、藍忘機が答えた。それから、しばらくの間、優しく唇を貪りあった。

 

「ああでも、なんかいつもより疲れてるような気もする。これだとあんまり意味ないかもしれない」

心底残念と言う様子で言った魏無羨の言葉に、藍忘機は内心の落胆を隠して

「そうなのか」

と答えた。

「うん、でも多分、他にも方法がきっとあるよ蓝湛。だから、ね」

というと、藍忘機のものに手を延ばし、そこに滑りを感じ取ると

「あれ、藍湛の忘機君は、俺をみてるだけで出しちゃったの?仕方ないなあ」

と揶揄うように言ってから

「綺麗にしてやるから待ってて」

と顔を伏せ、白濁をなめ取っていった。もちろんそこはとっくに再び屹立していた。

「藍湛?入れたい?」

と尋ねる魏無羨に

「君は大丈夫なのか?」

と藍忘機が気遣うと魏無羨は

「あと一回くらいなら。多分」

と言ってから仰向けになり

「来いよ、蓝湛」

と片目を瞑った。

 

いつもより更に魏無羨の反応が激しいことに戸惑いと喜びを感じながら、二人がほぼ同時に果てる。体勢を変えて仰向けになった藍忘機の脇にすっぽりと納まった魏無羨は、

「あ、あれ?」

と素っ頓狂な声を上げた。

「ねえ藍湛、ここ、ここ触ってみて」

と藍忘機の手を取ると、自分の下腹部に導く。

「ほら、わかるだろ?なんか、なんかある」

藍忘機の指先に、小さいながらもしっかりとした霊脈の脈動が伝わってくる。

「これは、金丹だよな?なんで、、いつの間に?」

 

「もしかしてさっきので結丹したのか?」

そうとしか考えられない。これまでも新しいこの身体で結丹できないかとあれこれ試したけれど思うような結果は得られなかったのに、こんなことであっさり結丹するとは。そういえばいつもより身体が楽というか、力が湧いてくる感じがする。

「きっと藍湛の指が特別なんだな」

と嬉しくてたまらないという笑顔を向けてくる魏無羨を、藍忘機はくるりと体勢を入れ替えて組み敷く。

「だったら、もう一回だ」